センターバックがフリーになれ! ジュニア8人制の場合のビルドアップ
8人制でのビルドアップの方法を紹介します。
センターバッグがフリーになってボールを保持することで、非常に有利な状況で攻撃の起点となることができます。
*実録です。
Tiki-Takaスタイルを志向するコーチが、実在するチームのU12の選手にどのように説明しているか、教えていただきました。チームはごく普通のクラブチームで、この学年は「たまに見栄えはいいサッカーをするが、弱い」とのことです。
基本は1-2-4-1
1-2-4-1の並びを基本とします。
便宜上、相手チームも1-2-4-1として説明します。
8人制のポジションについて、どういう名称が一般的か分かりませんので、このチームでの呼び方を採用。
センターバック、ミッドフィルダー、両サイド、トップ、GKとなります。
GK、ディフェンスラインからビルドアップを志向するので、頻繁にこういう状況なります。
この局面のように1-2-1プラス1の形を作ることが理想的。
プラス1(ここでは左CB)は、ボール保持者の斜め後ろに絶対安全なパスコースを作ります。
軽めのプレスを受けた右CBが左CBにパス(1)。
全体をスライドさせます。
【左CBの注意点】
- 右CBとの距離が近いと、相手のプレスを早く受ける
- 右CBとの距離が遠いと、パスミス、トラップミスの可能性が高まる
【GKの注意点】
- 左CBがボールを受けた時点で、GKが「プラス1」のポジション(絶対安全な斜め後ろ)を取る
左CBは前方を見ながらボールを少し前に運んで、
相手ディフェンスの三角形の中にポジションを取る右MFに縦パス(2)。右MFから右CBにパス(3)。
【右MFの注意点】
- 立ち止まってボールを受けるのではなく、三角形の真ん中に入ってきて受けるイメージ。
- ボールを受ける前に、三角形から出る(逃げる)ルートを確認しておく。
- 右CBへのパスをダイレクトにするとそれだけ不確実になるため、一度止めてから確実につなぐことを意識する(技術レベルが高ければ、この場面ではダイレクト推奨)
これで右CBがフリーに。
実際のピッチでは、下図で受ける印象より「フリー」になれます。
相手が強めのプレスをかけてくる場合
同じ状況から始めて、別のパターンも紹介します。
右CBから左CBへパス(1)。全体をスライド。
先程上手くつながれたので、今度は相手トップがセンターバックに強めにプレスをかけてきました。
パスを受けた左CBは左サイドにパス(2)。
相手トップは引き続きボールを追います。
トップの頑張りによって、ハマったようにも見えますが、
左サイドは大きなギャップに顔を出した右CBにパス(3)。
【左CBの注意点】
- 左CBは斜め後ろのポジションを取ります。
- ただ、このポジションはギャップを広げるための「おとり」です。他に選択肢があれば、ここにパスを出すのはいい判断とは言えません。
- 仕方なくこの左CBにパスした場合、左CBは大きく蹴り出した方が無難でしょう。
右CBは再びフリーに。
次回はフリーになったCBからの攻撃方法を紹介します。