ロンドのバリエーション
ロンドの基本を踏まえ、3対1のロンドを繰り返し練習すると、どんどん上達します。
5対2で数的優位[3]があれば体が勝手に動き、簡単にボールを持てるようになります。
*ロンドの基本については、3対1|ロンドをボール回しにしないために必要な3つのポイントをご覧ください。
もちろん簡単にボールを持てるようになるのは歓迎すべきことなのですが、どうしてもトレーニングに緊張感が足りなくなってしまいます。
練習に参加する選手の人数、技術レベルに応じて、ロンドのバリエーションを用意しておきましょう。
そして、状況を見て、自由に負荷をコントロールできるようになると、選手を退屈させることがなくなります。
では、5対2のルールを工夫して選手の「首から上」にかかる負荷を高めてみましょう。
ルール設定で負荷を高める
マーカーを使って、グリッドを半分に分け、半分のライン上に2m程度の間隔のゴールを作ります。
サイドを変えるパスは、このマーカーの間を通さなければいけません。
選手の移動は自由です。
ボールを保持する5人にとっては、数的優位[3]は変わりませんが、パスコースが限定されます。この状態では、パスを通せるのは1箇所だけ。5人が共通の認識(どこのマーカー間を通すか)を持ってプレーしなければいけません。
逆サイドにパスが通ったら、黄はすぐに移動しディフェンスを続けます。
青は、逆サイドで数的有利(3対2)となるよう、移動します。
3対2の状態でポゼッションが難しいようなら、さらに1人(青3)が移動し、4対2にします。
ただ逆サイドが1人になると、逆サイドへパスを通すことはかなり難しくなりますね。
また、狭いスペースでの4対2となるため、ボールを失いやすくなります。
4人目は緊急のサポートという位置づけで、すぐに逆サイドに戻れるポジションを取った方がいいかもしれません。
5対2から4対2へ
技術レベルが高く、5対2では攻撃側がなかなかボールを失わないような状態であれば、4対2にしてください。
下図では黄がディフェンスです。
2人組を3色で色分けして、攻守の交代を入れます。
青のパスミスでボールを失ったら青がディフェンスに。
パスミスでボールを失った青は「攻から守」、ボールを奪った黄は「守から攻」へ切り替えます。
この場合、黄は出来るだけ早く逆サイドへパスを通すことで、相手のプレスから逃れることができます。
逆サイドへパスを通されてしまったら、青は、休みなくディフェンスしなければいけません。
攻から守への切り替えが特に重要
青1が青2にパスしようとして、パスミス。黄に奪われてしまった場合。
(パスミスして)「ゴメン」
(パスミスした味方に)「しっかりしろよ」
こうした一呼吸は全く無駄です。
ミスしてしまったら、ミスした瞬間。相手がボールに触る前に、ディフェンスを始める習慣が身に付くようトレーニングしましょう。
ディフェンスについて
ディフェンス側の2人は、数的不利を解消するために同時に二つのことを行います。
「ボールへプレッシャーを掛ける」ことと、「パスコースを消すポジション取り」です。
例えばこの場合、ストップをかけ、黄1のポジションについて質問してもいいでしょう。
「何でそのポジションにいるの?」
青にとってはこの状況を打開し、逆サイドへ逃げるのはそう難しくありません。
なぜなら、青2は黄2にマークされていても、マークを外してわずかな時間をつくることができれば、ワンタッチで逆サイドへ通すことができるからです。
「数的不利」をポジション取りで解消するためには、周囲の状況を見て、判断する必要があります。
この場合、守る必要がない、あるいは守る優先順位が低いスペースがはっきりしてます。
そのスペースを捨ててしまえばいいのです。
黄1がポジションを取り直すだけで、ボールを保持する4人を難しい状況に追い込むことができます。