5対4|ディフェンスラインを崩してシュートまで
ビルドアップを志向するチームに対する批判としてよく聞くのが、「サッカーの目的はパスを回すことじゃない」「最短でゴールに向かうべき」「シュートが少ない」
確かに、パスを回すだけでアタッキングゾーンに侵入できなければ、批判されても仕方ありません。
今回は、相手の最終ラインの前でボールを動かしながら、隙を見つけてアタッキングサードに入っていく(ディフェンスラインを超える)トレーニング(5対4)を紹介します。
5対4の設定とルール
- 図のようにグリッドを配置します。白が5人で攻撃、黒が4人でディフェンス
- ゴールがない場合、GKがいない場合は、両端に2つのミニゴールまたはラインゴールでも可
- オフサイドラインをドリブルで超えてはいけない。
- スルーパスで超える
- または、ファーストタッチで超えるのはOK
- オフサイドラインを超えるまでは、攻撃側は縦へのドリブルはできない
- 攻撃側がラインを越えたら、通常のゲーム形式となる。攻撃側はシュートでゴールを狙い、ディフェンス側はボールを奪う。あるいはシュートをブロックする
- ディフェンス側がボールを奪ったら、前線までゴールを運び、ラインゴールを越えたら得点
- あるいは、ディフェンス側がGKを含めてパスを6本つないだら得点
- 攻撃側は、できるだけ早くボールを奪い返す(攻から守への切り替え)
- 攻撃側がオフサイドラインより前でボールを奪い返したら、一旦バックパスして、後方からスタートする
- 攻守は時間で交代
数的優位を活かして、ボールを失わない
攻撃側は数的優位を活かしてボールを動かし、マイボールを失わないようにします。同時に、常に縦方向へのパスコースを作り、前進を試みます。
下の図では5本のパスをつなぎ、最初にパスを出した選手の元にボールが戻ってきています。何の意味もないパス交換に見えますが、ボールを動かすことで、相手が動き、隙ができてきます。
縦パスでスイッチを入れる
ボールを動かしながら、縦方向へのパスを試み、縦パスが出たら、その縦パスをスイッチとみなし、周囲が反応します。
【崩しの例1】
- 白1から白2への縦パスの気配を感じた白3は白2から受ける準備
- 白4は白3からラストパスをもらうために、オフサイドに注意しながら動き出す
【崩しの例2】
- 白1から白2への横パスを見た白4は、引いて相手マークをはずす
- 白2から白4への縦パスを見た白5は白4からの落としを受けるため動き出す
- 白5はファーストタッチでゴールに向かう(ラインを超える)
ディフェンスラインの裏への飛び出し
ディフェンスラインでの駆け引きは、試合に近い状況を再現できます。繰り返しトレーニングすることで、攻撃側がボールを保持している間に、ディフェンスラインの裏へ抜け出す感覚が身に付きます。
トレーニングのバリエーション
【簡単にする場合】
- 5対4でボールをすぐ失ってしまうようなら、5対3にする
- もしくは、4人のディフェンスのうち1人が、オフサイドライン上でのみプレーできるようにする
【難しくする場合】
- オフサイドラインを超えるパス(スルーパス)をダイレクトパスに限定する
- 5対5(数的同数)にする