3対2|三角形のポジショニングをゲームの中で感覚として覚える
「いかに多くのパスコースを作るか」は、Tiki-Takaスタイルでは、重要なテーマ。
ボールを保持する味方に対して、最低3本のパスコースを作りづつける必要があり、3本のパスコースは、菱形によって確保されます。
菱形は、三角形が2つでできますから、3対2は、菱形を作る前段階として、徹底して三角形のポジションを取り続けるトレーニングです。
3対2の基本設定
- ラインゴールのミニゲーム
- 対象はU10(小学4年生)以上
- グリッドの大きさの目安は小学6年生の場合、15*20M
- ボールが当たっても邪魔にならないよう、フラットタイプのマーカーを使って、グリッドを4分割する
- スペースが狭い場合は、グリッドを並べて配置すれば、効率的です。
- 例えば体育館でトレーニングを行う場合、体育館のスペースを最大限に使って、図のように配置してください。4つのグリッドができ、同時に20人がプレーできます。ラインゴールを共有しなければいけませんが、プレーする選手の数が最大になるよう「効率」を優先させてください。
3対2のルール
制限なしで3対2を行うと、特にジュニア年代では、3人チームがドリブルでどんどん仕掛けてしまう場面が増えます。そうなるとトレーニング本来の目的から外れてしまいます。
ここでよくあるのが、タッチ数の制限です。しかし、パスを出して欲しいから2タッチに制限してしまうと、パス&コントロールの技術が未熟な年代ではゲームが不自然になってしまいます。
そこで、数的優位の3人チームのみ、マーカーで区切った縦横のラインをドリブルで超えてはいないというルールを設定してください。
この方法ですと、コントロールをミスしても、ライン内であれば自分でボールをキープでき、ゲームがつながります。
この練習を重ねるうちに、わがままなドリブルは減り、自然に「ドリブル禁止」のラインは不要になるはずです。協力して局面を打開する習慣が身につきます。
また、同じスペースに2人入っても、あまり意味がありません。グリッドを分割することで、適切な距離感のポジションを取る感覚も身につきます。
3対2のオーガナイズ
- 前後半で3対2,2対3と攻守の両方を行う
- 休みが最少になるように工夫する
- 休みの選手は球拾いとなってボールを出す
- チーム(個人)で勝ち点を競う
- 2人チームは後方で待たず、積極的にボールを奪いに行く
3対2のポイントは三角形
3人チームは、相手チームの2人を囲む三角形のポジションを取ります。同時に、パスコースがなければいけません。
三角形(ポジション)の質にこだわりましょう
下の図のCのポジションでみてみましょう。
C,C1,C2とも、どのポジションでも三角形は出来てますが、C1は相手ディフェンスの影に入ってしまってますので、パスコースがありません。
C2は、パスコースはありますが、相手にとって脅威が少ないポジションです。なぜなら、ボールがAからC2に渡っただけで、全体の状況に変化はないからです。
Cのポジションは、パスコースがあり、ファーストタッチで前に抜けることもでき、後ろに下がってキープすることもできます。
こうした細かいポジションの修正は、選手が考えなくてもより効果的なポジションを取れるようになるまで、指摘し続ける必要があります。ただし、プレーを止め過ぎては選手は白けてしまいますので注意してください。
3対2の崩し方例
- AはBにパス
- Bは、Aの足元ではなく、Aが少し前に出るようなパスを返す
- ディフェンスDがそのパスに食いついて、前に出たら、BはDの裏を取る
- AはBにパス
- AはBにパス
- BはCにパス
- Cは次のパスをイメージして、少し引いて(角度をつけて)受ける
- Dがボールの動きにつられているようなら、Bは裏を取る
- CはBにパス
- AはBにパス
- BはAにリターンパス
- AはCにパス
- CはAにリターンパス
*ここまでのパス交換は全て足元へのパス。一見、何の意味もないようなパス交換だが、ボールを動かすことで、相手にボールを見させる効果がある
- CからAへリターンパスのタイミングをみて、Bが動き出す
- AはBにパス
- ボール保持者Aに対して、BとCは引いて受ける動きをする
- AはBにパス
- Cはターンして相手Eのマークを外す
- BはCにパス
3対2のバリエーション
- ディフェンス2人の間にパスを通したら1点
- 3人目にダイレクト(AからのパスをBがダイレクトでC)でつないだら1点
- 三角パス(A→B→C→A)をダイレクトでつないだら1点
- 2人チームが得点したら2点
練習の難易度を上げたい場合、下図のようにグリッドを調整してみてください。