周りを見るためのポゼッション練習|フリーマンが使えない時もある

どちらがいい選手でしょうか?
「青2」が縦パスを受けたシーンです。

ターンして、ディフェンス二人の間を強引気味に突破。

ニアサイドを狙ってシュート。ゴール!
個人の能力で局面を打開した素晴らしいプレーです。

次は同じ状況で「青3」が縦パスを受けたシーンです。

青2と同じようにターンして、ニアサイドを狙ってシュート。
しかしゴールから外れてしまいました。

これだけ見れば、当然、得点を決めた青2がいい選手です。
しかし、青3のプレーを巻き戻して見ると、こういうシーンがあったらどうでしょうか?
青3はボールを受ける前に周囲を確認し、ディフェンスのいない方向へターンしていた。

こうなると、どちらがいい選手か、このプレーだけでは判断できなくなりますね。
むしろ、青3に好感を持つのが、Tiki-Takaスタイルです。
しっかり「見て、判断して、実行」してますからね。
いつ見ればいいのか?
違うシーンで、「いつ周りを見ればいいのか?」を考えてみましょう。
青(攻撃側)は、中盤で相手に寄せられ、少し窮屈な状態になりました。

青2は、パスコースを作ろうと、動きだしました。その際、首を振って周りを見て、前方の青3がフリーなのを確認しました。

青2は、黄1,2,3の三角形の中心でボールを受ける体制になりました。素晴らしいオフ・ザ・ボールの動きです。
青3は次にすべきプレーがわかっているので、余裕があります。
パスを受けて、テンポよく青3にパスを出しました・・・。

しかし奪われてしまいました・・・

何が起きたのでしょうか?
何秒か巻き戻して見ると、このような状態になっていることがよくあります。
いいポジションをとる青2に対して、黄1,2が中に絞って対応しようとしたので、それを見た黄3は、すぐ青3方向へ移動したのです。

黄3のいいプレーでボールを奪うことができました。
では、青2はどうすればよかったのでしょうか?
青2は、三角形の中心に入る直前に、もう一度青3を確認していれば、新しい情報(黄3が青3に移動)が入ってきて、異なる判断(青3へのパスは危ない)に基づいて、プレーできたかもしれません。

サッカーの試合中は常に状況が変わります。
ですから、いつ?ということではなく、常に周りを見ていなければいけません。
では、そのための練習メニューを紹介します。U10くらいからできると思います。
よくあるポゼッション練習を少し工夫するだけですので、是非お試しください。
フリーマンを見なければフリーマンを使えないポゼッション練習
- グリッド内4対4(3対3でも5対5でも可)でボールキープ
- 四辺のライン上のフリーマン(赤)を使って、ボールを奪われないようにします

ただし、フリーマンがいつも助けてくれるとは限りません。
- フリーマンは手にビブスを持ったり、地面に落したり、ランダムに繰り返します
- フリーマンにパスを出せるのは、フリーマンが手にビブスを持っている時だけ
- フリーマンはビブスを持っていない時でも、ライン上を動いてパスコースを作ります
- 技術レベルが低い場合は、中にもう一人、いつも使えるフリーマンを入れて、スムーズにボールを動かせるようにします
- つまり、中の選手は、中の状況と、4人のフリーマンの状態(ビブスを持っているかどうか)を常に確認しておかなければいけません
例えば、この状態でボールを保持する青チームが使えるフリーマンはF1とF2です。F3、F4はビブスを手に持ってないので、使えません。

青1からパスを受けようとする青2は、動きながら、周囲の状況(特に後ろのフリーマン)を確認し、次のプレーのための判断材料を集める必要があります。
