ディフェンスの基本 マンツーマン併用型 ジュニア8人制の場合

実在するジュニアチームのディフェンスについて紹介します。
王道のゾーンディフェンスではなく、「ボールより前をマンツーマン」という方法ですので賛否が分かれるかもしれません。
こちらの8人制の場合のビルドアップ編もご覧ください。
1-2-4-1を採用した場合で考えます。

最終ラインで数的優位「1」を作る
相手がワントップの場合
CBの二人で相手のワントップに対応します。

相手がツートップの場合
CBの二人に加え、MFの一人が下がり目のポジションを取って数的優位を確保します。

ビルドアップに対するディフェンス
相手がディフェンスラインからビルドアップを試みる場合、まずトップがプレスにいきます。

ボールより後ろと逆サイド以外をマンツーマンでマーク
この時、最終ラインでは数的優位「1」を確保したまま、ボールより前の相手に対してマンツーマンになるようポジションを取ります。
「ボールより後ろ」と「逆サイド」の相手はとりあえずフリーにしておきます。

トップの役割と注意点
- トップのディフェンスはボールを奪うことではなく、方向を限定することが目的
今の場合、GKからパスを受けたCBがGKにパスを返せないようにします。
トップがこのようにプレスにいってしまうと、CBからGK、CBからCBへ簡単につながれて(サイドを変えられて)しまいます。

サイドを変えられてしまうと、全体がスライドしなければならず、チームのエネルギーを消耗します。

そのため、トップは「ボールを奪う」より「サイドを変えられない」ことを優先します。

サイドを限定することで、黄色のスペースを徐々に狭くしてボールを奪うと明確に意思統一しましょう。

相手センターバックがドリブルでボールを運んだ場合
トップが「サイドを変えられないディフェンス」をすると、センターバックがドリブルを始め、トップは後ろから追いかける形が多くなります。
前進するセンターバックに対して、左MFが寄せ、戻ってくるトップと挟みます。

左MFの注意点
- 自分のマークへのパスコースを切りながらプレスにいく
- ボールを奪うことより、ドリブルする相手に縦に抜かれないことを優先する
- トップが戻る時間を稼ぐ

相手チームのビルドアップ能力が高いと、パスコースを切られた選手は動き直してパスコースを作るはずです(1)。

この場合は右MFが自分のマークへのパスコースを切りながら、フリーになった相手にプレスにいきます(2)。
この状態になれば、高い確率でボールを奪えるはずです。

サイドを変えられてしまった場合
トップがこのボールを追いかけてしまっては消耗が激しいので、右MFが前に出ます。
トップは再びサイドを変えられないような(GKとCBの両方にプレスにいける)ポジションを取ります。

右MFは縦に抜かれないディフェンスをします。
同時に「ボールより前」がマンツーマンになるよう全体がスライドします。
「逆サイド」と「ボールより後ろ」はフリーで構いません。

最終ラインでは数的優位を確保したままです。
もし最終ラインで数的同数になってしまうと、1対1の状態では、裏への長いパス1本で危険な状態になってしまいます。