練習メニューを柔軟に変更して、ボールタッチ数を最大にする工夫|5種類のロンド
4対3のロンド(7人)
Tiki-Taka スタイルでは、ゲーム形式の中でボールにたくさん触ることが、サッカー上達の近道だと考え、トレーニングでは、次の2点を外さないようにします。
1.リアリティがあること
2.(1人当たりの)ボールタッチ数が最大になること
詳しくは「良い練習メニューを見分ける簡単な2つのポイント」をご覧ください。
例えば、「味方のために選択肢とスペースを作ること」をテーマにして、次のようなトレーニングを行うとしましょう。
- 中のスペースで2対1
- 両端で1対1
- 各スペース内でプレーする
- 中の選手から外の選手へパスをつなぎ、外の選手から中の選手につないだら得点
中は2対1なので、ボールを保持できますが、得点するには端の味方を使わなければいけません。
- 両端の選手がマークを外し、味方に選択肢(パスコース)を作る
- ただし、マークが外れる時間はわずかな時間です
- マークを外す青3、パスを出す青2はタイミングを合わせます
同時に青2も、青3からのリターンパスを予測して動き出します。
リアリティがあって、ボールタッチ数も多い、良い練習ですね。
しかし、練習に参加している選手が16人だったらどうでしょうか?
休憩の人数が常に最小(ボールタッチ数が最大)になるような工夫
上のトレーニングでは、1つのグループで7人がプレー。2つのグループに分かれれば14人がプレーできますが、16人の場合、2人が休みとなります。
2人づつ交代で休んで球拾いでもいいのですが、Tiki-Takaスタイルでは、「休息」の意味ではない休みの時間(順番待ち)は、極力少なくなるように工夫します。
(コーチはプレーを観察しつつ、しっかり球拾いして、「選手がボールを取りに行って、他の選手がそれを待っている時間」をなくしてください)
ですので、あらかじめ予定していた選手の人数が多少前後してもいいように、練習メニューのバリエーションを準備しておきましょう。
16人の場合、8人単位のトレーニングで休みがなくなるわけですから、次のようにルールを変更してもいいでしょう。
4対4のロンド(8人)
中を2対2にします。
しかし、これでは数的同数でボールを保持するのが難しく、ボールを失ったり、奪い返したりという時間が増えてしまい、目的に合ったトレーニングにはならないと思われます。
そのため、ルールを変更します。
- 攻守は時間で交代
- ディフェンス側の両端の2人で合図しながら、ランダムに1人が休まなければいけません。
- 休むディフェンスは腰を低くして、休みが分かるようにします。
ディフェンスが1人休みなので、攻撃側の数的優位となります。
中では2対2で、攻撃側にとって厳しい状態です。厳しい状態でポゼッションしながら、両端の状況を常に確認する必要があります。
4対4プラスフリーマンのロンド(9人)
9人にしたい場合、中にフリーマンを入れて、攻撃側に数的優位な状況を作ります。
両端は1対1で数的同数です。
6対4のロンド(10人)
10人にしたい場合、中で2対2、両端で2対1とします。
中は同数ですが、全体的には6対4と数的有利「2」の状態です。両端の選手がしっかりパスコースを作れば、それほど難易度は高くない練習です。
7対4のロンド(11人)
11人にしたい場合、中で3対2、両端で2対1とします。
しかし11人はちょっと多くないですか?
1グループの人数が多くなれば、1人当たりのタッチ数が少なくなってしまいますので、注意が必要です。
選手数が11,12人でしたらこれでOKですが、22人で2グループに分かれて行うのであれば、最初の7人のロンドを3つのグループに分かれてトレーニングした方がいいかもしれません。