弱小高校サッカー部 Bチームコーチからの質問と回答
とある、弱小高校のBチームをコーチとして、指導してます。
モチベーションが低く、なんとかやる気にさせたいのですが、どういう方法がいいでしょうか?
監督の意向としては、考えるサッカーです。
出来たら、力になってほしいです。
8ヶ月ほど前にメールをいただきました。
対象となっているチームの情報は(高校名も含め)上記以外何もない状態で、質問に回答するのは無謀でしかありませんが、その時の回答を紹介します。
質問者さんからその後の連絡がないので、どのように受け止められたのかわかりません。実情に合わず、お役に立てなかったかもしれません。あるいは全く的外れだったのかもしれません・・・。
このように回答しました。
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難問ですね...
そちらのチームの事情、練習時間、人数、環境など分かりませんので、お役に立てるとは思えないのですが、自分ならどうするかを考えてみました。以下、全て「自分ならこうするだろう」という一つの意見として、何らかの参考になれば幸いです。
基本的な考え方
「弱小高校のBチーム」ということは、高校卒業後に本格的にサッカーをする選手はまずいないと思います。「本格的」とは、Jにつながるような環境でという意味です。
ですので、選手を育てるとか考えずに、まず「サッカーすること」をメインに考えます。
「サッカーをすること」とは、1人当たりのボールタッチ数が最大になり、試合と同じ環境、負荷がかかるトレーニングです。
(こちらの記事を参照ください)
具体的な方法論
1.モチベーションを上げるためにボールを使わない時間をゼロにします
- 「走り込み」「筋トレ・体幹」といった時間が多いようでしたら、これらをボールを使ったトレーニングに変えるだけでモチベーションはあがるのではないでしょうか?
- どうしても運動量が足りない場合、ミニゲームで走るよう工夫します。
- アップでもボールを使います。単にジョギングしているようなら、ドリブルを使ったジョギングにします。
- 列に並んでの順番待ちがあるようなトレーニングは行いません。
2.ミニゲーム形式をトレーニングの中心とします
- メンバーが20人なら4チーム5人に分け、リーグ戦形式のミニゲームで結果を競い合うようにします。一巡したら、下位チームに軽い罰ゲームを課し、チームを変えて次のミニゲームを行います。
- 常にチーム編成を変えて、本気で競い合う環境(雰囲気)を作ります。
- 参加人数、使えるスペース、ミニゴールの数が変わった場合にそなえて、たくさんのバリエーションを用意しておきます。
3.ミニゲームの中に「考える」要素を入れます
- 例えば3v3+1フリーマンのゲームをする際、フリーマンへのパスはダイレクト限定(フリーマンのタッチ数制限ではなく)とします。
- シュートはダイレクト限定。
- ダイレクト→ダイレクトでの得点は2点。
- 浮玉からのヘディングシュートは2点。
- 両サイドにドリブル通過できるラインゴール。
- ピッチを4分割(9分割)して、そのラインはパスで超える。あるいはドリブルで超える。あるいはコントロールオリエンタードで超える。ひざより上の浮玉で超える。
- 数的優位を2以上にして、優位のチームは縦にドリブルできない。
- オフサイドあり、なし
- 全員同じ色のビブスを着て、番号の偶数・騎数でチーム分けしたミニゲーム
などなどのルールを使って考える負荷をかけると同時にサッカーを楽しみます。
4.コーチの言動
- 時々フリーズして、質問、状況の確認、説明を行います。
- 説教、ミーティングの時間は最小にします。
- 技術的なミスに対しては我慢して何も言いません。
- 怒鳴るのはディフェンスをサボった時くらいです。
- ガチガチ音がするくらいの球際の激しさを求めます。(もし現在、ゲーム形式の練習が少ないようでしたら、当初はけが人が増えるかもしれませんが...中期的には、タフになるはずです)
現場を知らない者の机上の空論、極論でしょうか?
8ヶ月たった今、高校選手権をTVで観ながら考え直してみました。
全国大会には遠く及ばない環境でプレーする高校生が「サッカーやってよかった」と思えるサッカーとはどんなサッカーなのか。
高校サッカーの経験者あるいは関係者の皆さんはどう思われますか?