運動神経向上効果あり!保育園・幼稚園児向けケンケンパのやり方解説
ある程度お年を召された方であれば、
幼い頃に公園や道路に円を描き、ケンケンパをして遊ばれた経験があるのではないでしょうか?
ただ、現代の公園などで、ケンケンパをしている子供を見かけることは、ほとんどなくなってしまったように思います。
(公園に集まってゲームをしている子供たちはよく見かけますが・・・)
実際、子供が外で遊ぶ時間は、1981年は2時間11分あったのに対し、2016年には1時間12分と、35年で約1時間も減少しているというデータがあります。
■子供が外で遊んでいる時間
出典:シチズンホールディングス(2016年)「子どもの時間感覚」
かく言う私(昭和60年生まれ)も、正直、幼い頃にケンケンパで遊んだ記憶はありません。
私よりも若い方であればなおさらかと思います。
もしかすると、ケンケンパの意味すら知らないかもしれませんね・・・
しかし、一方で、今ケンケンパをはじめとする「昔遊び」が子供の運動神経を良くするトレーニングとして見直されてきています。
子供の運動神経の良し悪しは、先天的なものではなく、運動経験の量と関係があると言われています。
運動神経が良い子供は運動経験が多く、運動神経が悪い子供は運動経験が少ないのです。
運動神経を良くするためには、運動経験を増やせば良いのですが、
その運動経験として最適なのが、「コーディネーショントレーニング」というものです。
コーディネーショントレーニングという言葉は耳なじみがないかもしれませんが、
その内容は、ケンケンパ、じゃんけん、おにごっこなどのいわゆる「昔遊び」なのです。
コーディネーショントレーニングを行うことで、脳が刺激され、脳から体への伝達速度を早く、正確にすることができます。
そこで、今回はそのコーディネーショントレーニングの中でも、特に「ケンケンパ」に着目し、
保育園・幼稚園児でもできるケンケンパの基本的なやり方からケンケンパを応用した運動遊びまで詳しくご紹介いたします。
ぜひ子供たちと一緒に楽しく、ケンケンパッしてみてください!
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昔の「石飛び」遊びを、自宅時でも幼稚園でもできるようになる、バランストーン。
ジャンプして微妙に不安定な着地でバランス感覚が磨かれる遊びです。
1 ケンケンパとは何か
1-1 地域によって様々なやり方があるケンケンパ
ケンケンパとは、基本的には、子供の遊びの1つで、地面に円やマス目を連ねて描き、片足飛びと両足着地とを繰り返すもののことです。
しかし、地域によっては、単にジャンプするだけでなく、「ケンパ」や「かかし」などと呼ばれ、しっかりとしたルールのある遊びとして認識されているところもあるようです。
1-2 ケンケンパは海外にも存在する!?
ケンケンパは、何となく日本特有の昔遊びのように思われがちですが、実は海外にも存在しています。名前はケンケンパではなく、「hopscotch」と呼ばれていますが、遊び方は日本の「ケンパ」「かかし」によく似ており、イギリスやアメリカの小学校で一般的な、主に女の子の遊びのようです。
そして「hopscotch」は、呼び方やルールを少しずつ変えて世界各国で広く遊ばれています。「ケンケンパ」の楽しさは万国共通のようですね。
2 子供たちがケンケンパを行うことで得られる効果
2-1 コーディネーション能力の向上
近年、ケンケンパはコーディネーション能力を向上させるトレーニングの一つとして、子供からお年寄りまで幅広く実施されています。コーディネーション能力とは、身体の筋力、持久力、柔軟性、バランス、スピードなどの要素を組み合わせて、目的に合わせ身体の動きを総合的にコントロール、調整する能力のことです。
ケンケンパでは特に次のような効果が期待できます。
- 片足、両足で連続して飛ぶことがうまくなる
- 立ち幅跳びなどで手足の動作がスムーズに行える
- 飛ぶ、跳ねる時に地面を蹴る動作がうまくなる
2-2 即時反応力の向上
声を出しながら飛んだり、音楽に合わせて飛ぶことによって、リトミックのように即時反応力の向上が期待できます。即時反応力とは、音やリズムの変化に素早く反応する能力のことです。
3 子供ができる基本的なケンケンパのやり方
3-1 基本的なケンケンパのやり方
ここでは保育園児・幼稚園児でもできる最も基本的なケンケンパのやり方をご紹介します。
①円を書く 地面に図のような円を書きます。円の間隔は子供の身体に合わせて調節してください。②片足着地(ケン)
円が1つの所は片足で着地します。利き足だけでなく、左右両方で着地できるようにしましょう。③両足着地(パ)
円が2つ並んでいる所は両足を広げて着地します。3-2 実際に幼稚園・保育園で行われているケンケンパ実践動画
実際に幼稚園や保育園でケンケンパが行われている動画をご紹介します。
①幼稚園体育指導②運動会
③お誕生日会
4 ケンケンパを行う際に必要な輪の準備
4-1 簡単にできる輪の並べ方3選
①三拍子最初は初級編です。「ケン・ケン・パ」を「1、2、3、1、2、3」のリズムに合わせて飛べるように配置します。
②三・三・七拍子次は少しレベルを上げて、「ケン・ケン・パ、ケン・ケン・パ、ケン・パ・ケン・パ・ケン・ケン・パ」と
三・三・七拍子のリズムで飛べるように配置します。
③ランダム一定のリズムで飛べるようになったら、難易度を上げて「ケン」と「パ」をランダムに並べます。
不規則な配置でもリズムよく飛べるようにしましょう。
4-2 費用別:ケンケンパの輪を作る方法5選
①地面に線を書く 屋外で地面が砂や土であれば、木の枝などで線を書く方法が費用もかからず簡単です。短所としては、屋内ではできないことや線を踏んでしまうと線が消えてしまうことなどがあります。【費用】
0円
【長所】
- 円の大きさを自由に変えられる
- 線を踏んでも安全
【短所】
- 屋内ではできない(場所が限られる)
- 線を踏むと線が消える
②テープを貼る
屋内であれば、マスキングテープなどを貼るという方法があります。経済的ですが、場所によっては貼ったり剥がしたりという作業が必要になり面倒かもしれません。
【費用】
200円程度
【長所】
- 費用が安い
- 円の大きさを自由に変えられる
- 線を踏んでも安全
【短所】
- 屋外ではできない(場所が限られる)
- 貼ったり剥がしたりの手間がかかる
- 円の形にするにはかなりの技術が必要
③円形や四角形などのマットを置く 地面や床に輪ではなく円形や四角形などのマットを置くという方法もあります。この場合の注意点としては、地面や床に接する面に滑り止めの加工をすることです。滑り止めの加工がされていないと、踏んだ瞬間に横滑りしてしまい危険です。
【費用】
500円程度~
【長所】
- 設置に時間や手間がかからない
- 踏んでも安全(滑らなければ)
- 円の大きさを自由に変えられる
【短所】
- 滑り止めがないと危険
④フラフープを使う
身近なもので円形ということでフラフープを置くという方法があります。簡便な方法ではありますが、あまりおすすめできません。理由は、フラフープの輪は厚みがあるため、踏んでしまったときにケガにつながる可能性があるからです。
【費用】
1本 300円程度~(すでに保有している場合は0円)
【長所】
- 設置に時間や手間がかからない
【短所】
- 円の大きさが変えられない
- 直径が大きい物だと飛びづらい
- 輪に厚みがあると、踏んだ時にケガをする可能性がある
- 輪自体を踏むと破損する可能性がある
⑤ケンケンパ専用の輪を使う
現在は、いつでもどこでも手軽にケンケンパができるように、「ケンステップ」や「スピードリング」などという商品名でケンケンパ専用の輪が販売されています。他に比べると費用はかかりますが、ケンケンパ専用だけあって安全で使いやすく、長く使えますので、検討の余地はあると思います。
【費用】
1本 300円程度~(12~20本のセットで販売)
【長所】
- 設置に時間や手間がかからない
- 直径が40cm程度で使いやすい
- 横滑りしにくい
- 輪を踏んでも破損しにくい
【短所】
- 費用がかかる
- 円の大きさが変えられない
5 子供が楽しくケンケンパを行うための3つの注意点
①音に合わせて飛ぶ ケンケンパをただ遊ぶだけでなく、子供のコーディネーション能力や即時反応力を向上させるためには、音に合わせて飛ぶ必要がありますし、音に合わせて飛んだほうが断然楽しいと思います。最初は、先生や親御さんが「ケン・ケン・パ」と声に出したり、リズムに合わせて手拍子をするようにしてください。慣れてきたら、子供たちが自分で声を出しながら飛ぶように促しましょう。音楽に合わせて飛んでも良いと思います。
②苦手そうな子に無理をさせない 幼少期の運動能力は個人差が大きいので、ケンケンパが苦手そうな子に無理やりやらせないようにしましょう。無理をするとケガに繋がりますし、苦手意識が芽生えてしまいます。苦手そうな子供には、まず片足で立ってバランスをとることから始め、それができたらその場で片足ジャンプ、そしてケンケンというように徐々にレベルアップしていくと良いと思います。
③コンクリートの地面に輪を書かない 屋外で行う場合、コンクリートの地面に石やチョークで書かないようにしましょう。私も昔は道路に線を書いたりしましたが、今はご近所からの目もあるので書かない方が無難です。6 ケンケンパを応用した子供の成長を促す運動遊び
ケンケンパがリズムよく飛べるようになったら、ケンケンパを応用した運動遊びにステップアップしてみましょう。ここでは子供の成長を促すケンケンパを応用した運動遊びを3つご紹介します。
①ケンケンじゃんけん【人数】2人以上
【場所】少し広めの場所
【やり方】
- ケンケンパの円を長め(10m程度)に並べます
- 2チームに分かれ、両端から相手チームの方に向かってケンケンパしていきます
- 出会ったところでじゃんけんをします
- 勝った人は前に進め、負けた方は自分のチームの端に戻ります
- 端に戻るときは両足で走ってもOK
- 先に相手チームの端まで到達したチームが勝ちです
【期待される効果】
じゃんけんの結果によってすばやく次の行動をしなければならないため、敏捷性が向上します。
②ケンケンおにごっこ【人数】3人以上
【場所】広い遊戯室、体育館、グラウンドなど
【やり方】
- じゃんけんでオニを決めます
- オニ以外の人はケンケンをしてオニから逃げます
- オニは10数えた後、他の人をケンケンで追いかけタッチしますタッチされたらオニが交代します
- 新たにオニになった人はまたケンケンで他の人を追いかけます
【期待される効果】
ケンケンをした状態でおにごっこするので、持久力や柔軟性の向上が期待できます。
③ケンケン相撲【人数】2人
【場所】周りに危険な物がない場所
【やり方】
- 地面に大きな円を書いて土俵を作ります
- 手のひらを開いて体の前に出し、ケンケンの状態で押したり引いたりして相手のバランスを崩します
- 両足が地面に着いたり、倒れたり、土俵から出てしまったら負けです
- マット運動用のマットを使用するなどしてケガに注意しましょう
【期待される効果】
狭い土俵の中でケンケンするので、身体のバランスを取る能力である平衡性が向上します。
まとめ
運動不足な現代の子供たちですが、運動神経を向上させる遊びとしてケンケンパはとても効果的。
今回の記事のポイントは次の2点です。
- ケンケンパをすることでコーディネーション能力が向上する!
- ケンケンパ専用の輪があり、安全で使いやすいのでおすすめ!
大人の方も昔を思い出して、子供たちと一緒にケンケンパしてみてはいかがでしょうか?
ケンケンパ以外の昔遊びを使ったコーディネーショントレーニングについては、こちらの『コーディネーショントレーニングとは?「昔遊び」で運動神経アップ』の記事で詳しく紹介していますので、是非ご覧ください。