無理な食事制限は不要!運動習慣の改善から始める子供のダイエット法
比較してはいけないと思いつつも、
やっぱり大勢の中にいると我が子を見つけると、つい周りの子供と比べてしまいますよね。
ダイエットを考えたときに、まず思い浮かぶのは「食事制限」ですが、
成長期の過度な食事制限は要注意です!食事制限をすると栄養不足に陥りやすく、その結果として
- 骨や筋肉の成長が妨げられる
- 脳に悪影響が出る
- 女性生殖器に悪影響が出る
などの深刻な影響が出ることがあります。
そこで今回は、食事制限ではなく「運動」で健康的にダイエットする方法をご紹介します。
運動が苦手なお子さんでもできる内容になっていますので是非ご覧ください。
1 運動を習慣化して子供の肥満「小児肥満」を解消する
1-1 小児肥満は子供の健康に悪影響を及ぼす
小児肥満とは、子供の体内において脂肪組織が過剰に蓄積した状態を言います。幼児(3ヶ月〜5歳)はカウプ指数、学童(小・中学生)はローレル指数という指数をもとに判定されます。
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学童期(6~12歳)肥満の4割、思春期(13~15歳)肥満の7割が成人肥満に移行します。
さらに、小児期メタボリックシンドロームというものもあります。小児期メタボリックシンドロームは、大人同様、内臓に脂肪がたまり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に加え動脈硬化になりやすくなります。近年では小児肥満が深刻化し、小児期メタボリックシンドロームとの関連が問題視されています。
1-2 小児肥満が引き起こされる要因
小児肥満は、遺伝要因に次の3つの生活習慣要因が加わることで引き起こされると考えられています。
①食習慣 朝食の欠食、脂質の過剰摂取、外食(特にファストフード)の増加、清涼飲料水の過剰摂取、食卓の環境(孤食、孤食、偏食、過食)などが影響していると考えられています。 ②運動習慣 子供の遊びが外遊びから室内でのゲーム中心の遊びへと変化しており、学校以外で運動する子供の割合は減少し、運動不足の子供が増加しています。 ③睡眠習慣 子供の生活リズムが夜型に変化しており、就寝時間が遅くなる傾向にあります。しかし、学校の始業に合わせて起床しなければいけないため、睡眠時間は減少し慢性的な睡眠不足の状態に陥っています。1-3 「運動習慣」をきっかけに生活習慣を改善する
現在の生活習慣を一度に全て変えることは、なかなか難しいと思います。そこで今回ご提案したいのが、まず運動習慣を改善することです。運動習慣を改善することで、自ずと食習慣や睡眠習慣も改善されていくと思います。
2 子供のダイエットは運動して「太らない体」を作ることが重要
ダイエットするためには、「太らない体」を作ることが重要です。太らない体を作るためには、筋肉量を増やして基礎代謝を上げる必要があります。基礎代謝とは、人が最低限必要な生命活動を維持するために消費されるエネルギーのことで、体の中で最も基礎代謝量が大きいのが筋肉なのです。
2-1 子供が筋力トレーニングを行うと良い理由
一昔前は成長期に筋肉をつけると身長が伸びなくなると言われ筋力トレーニングを控えるような考えもありましたが、適切なトレーニングを適度に行えばそんなことは全くありません。むしろ子供こそ積極的に筋力トレーニングを行うべきとも言えます。その理由は3つあります。
①運動能力が上がる 筋力をつけることでしっかりとした体を作ることができ、運動能力が上がります。運動能力が上がれば、スポーツをした時に力強く機敏な動きができますし、スポーツ以外の日常生活においても、例えば転びそうなときに素早く手を前に出してケガを防止するなど危険を回避しやすくなります。 ②姿勢が良くなる 全身の筋力をつけることで「立つ」「座る」「歩く」などの日常生活に不可欠な動作の姿勢を良くすることができます。姿勢が悪い状態をそのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく成長するにつれて体の様々な箇所に不調が出てきます。 ③授業中の集中力が途切れない 筋力をつけて良い姿勢をキープすることで授業に集中することができます。筋力が弱いと長く同じ姿勢いることができないので、授業中に集中力が途切れ学力が低下する恐れもあります。2-2 子供におすすめの体幹トレーニングメニュー5選
子供のトレーニングは体幹トレーニングから始めることをおすすめします。筋力トレーニングで身長が伸びなくなることはないと書きましたが、重量のあるダンベルなどを使った負荷が大きい過酷な筋力トレーニングは子供の成長を妨げる可能性があります。子供がトレーニングを行う場合の負荷は、最初は自重(自分の体重)程度で十分です。今回ご紹介する体幹トレーニングは、器具を使わず自重のみで行う負荷の小さいものなので安心してトレーニングしてください。
ただし、体幹トレーニング自体はダイエットに即効性のあるトレーニングではありません。ここで体幹トレーニングを行う目的は、体幹を引き締めながら、運動することの気持ち良さを実感してもらうことです。そして運動することに慣れてきたら、少しずつ負荷を上げたり、有酸素運動を取り入れるなどしていくことで、筋肉量が増え、基礎代謝が上がっていくと思います。
① プランク 【目的】体幹全体の強化【やり方】
- 両肘と両足で体を支え、肩の真下に肘がくるようにする
- 体を1本の柱のように真っ直ぐにする
- その状態で20秒キープする
【ポイント】お尻が上がったり下がったりしないように注意する
② アームレッグレイズ
【目的】体幹全体の強化
【やり方】
- 四つんばいの状態になる
- その状態から右手(左手)と左足(右足)を上げる
- 3秒間キープし反対側も行う
- これを5セット繰り返す
【ポイント】頭から腰までが真っ直ぐになるように注意する
③ サイドエルボーブリッジ
【目的】わき腹の筋力強化
【やり方】
- 横向きになり下側の肘と足で体を支える
- 体を1本の柱のように真っ直ぐにする
- その状態で20秒キープする
- 同様に反対側も行う
【ポイント】難しい場合は上側の手を体に添わせるとバランスがとりやすくなる
④ ロールダウン
【目的】お腹の前面(腹直筋)の筋力強化
【やり方】
- 体育座りの状態になる
- 手を伸ばして前に出し、目線をへそに向ける
- 肩甲骨の下が床に着く寸前まで上体を後ろに倒す
- 倒しきったら元の位置まで上体を戻す
- 10回を目標に行う
【ポイント】上体を倒すときは10秒くらいかけてゆっくり倒すようにする
⑤ ヒップリフト
【目的】お尻と腰の筋力強化【やり方】
- 仰向けの状態になる
- 膝を曲げて腰を持ち上げ、腕は床に着ける
- 肩から腰までを一直線する
- その状態で20秒キープする
【ポイント】キープした状態から片足を上げると難易度が上がる
3 運動が苦手な子供でも無理なくできる「ながら運動」5選
運動が苦手なお子さんでも無理なくできてダイエットに効果的な「ながら運動」を厳選しました。無理をして挫折してしまっては意味がありませんので、最初は軽めの「ながら運動」から始めてみましょう。
3-1 通学しながらウォーキング
通学時にただ歩くのではなく、トレーニングしているという意識で通常よりも少し歩幅を大きくして早足で歩くようにしてみましょう。少し意識を変えるだけでも毎日続ければ効果が現れてくると思います。
- 足は股関節を動かすことを意識する
- 腕は肩関節から背骨に向かって後ろに振ることを意識する
- 腹筋を使って腰が動かないようにしあごを引いて歩く
3-2 寝転がりながら丸太転がり
学校から帰った後や休日に家の中でゴロゴロしているお子さんには、徹底的にゴロゴロしてもらいましょう。簡単そうに見えますが、意外に良い全身運動になります。
- 床に寝転がって体を伸ばした状態で横に回転する
- 両手を頭上に上げると回転しやすくなる
- 左右交互に3~5回ずつ行う
3-3 歯磨きしながらカーフレイズ
歯磨きをしている時間を利用して足(ふくらはぎ)の運動をしてみましょう。カーフレイズとは、かかとを上げる動作のことです。大人でも結構効きますよ。簡単な動きですが、ケガをしないように正しい方法で行いましょう。
- 洗面台や壁などに手をついてバランスをとる
- 足首が外側に曲がらないように気をつけながら両足のかかとを上げる
- ゆっくりとかかとを下ろし、下ろしきる寸前のところで止める
- 足先(足の親指の付け根あたり)に体重をかけるようにする
- 10回×2セットを目安に行う
3-4 お風呂に入りながらエクササイズ
お風呂に入っている時間は運動をする絶好のチャンスです。お風呂の中では水の浮力によって体重が約10分の1になりますので、体重の負担を受けることなく運動することができるからです。ここではエクササイズの一例をご紹介しますが、いろいろな動きを試してみてください。- お尻と背中は湯船の側面につけ、両膝を少し曲げて両手のひらは湯船の床につける
- 片足を少し持ち上げた状態から上半身を前後に動かす
- お腹と内ももを意識しながら15回×2セット行う
3-5 就寝前に寝ながらドローイン
夜寝る前にはドローインというトレーニングを行いましょう。ドローインとは、意識的にお腹をへこませる呼吸法のことです。ドローインをすることでお腹の周りの筋肉「腹横筋」が鍛えられ、姿勢の改善や下腹のダイエット効果が期待できます。
- 仰向けに寝て膝を立て手は自然に下におく
- 鼻から胸に空気を入れるように息を吸う
- 口から息を吐いてお腹をへこませる
- 5回×2セットを目安に行う
4 子供のダイエットで気をつけること
4-1 変わりたいという強い気持ちを持つ
ダイエットはお子さん本人が変わりたいと強く思わなければ絶対に成功しません。親が一生懸命働きかけていても子供が反応していないケースがよくありますが、そのような間はまだダイエットする時期ではありません。お子さんが何らかの問題意識を持った時が親の出番です。しっかりとサポートしてあげましょう。
4-2 親の生活習慣が影響しているかも
子供の肥満は、親の生活習慣が影響しているかもしれません。親が運動嫌いであれば、休日に親子でスポーツすることもないでしょうし、親が野菜嫌いで肉ばかり食べていれば、当然子供もそのような食習慣になってしまいます。子供の生活習慣を改善するときは、親の生活習慣を一度見直してみる必要があると思います。
まとめ
小児肥満は、食習慣、運動習慣、睡眠習慣の3つの生活習慣が関わっています。
まず、運動習慣を改善してダイエットに取り組みましょう。
運動習慣を改善するときは、まず体幹トレーニングから始めるのがおすすめ!
この記事を参考にしていただいて、無理のない健康的なダイエットに取り組んでいただければと思います。
子供の成長期、特に5~12歳の期間は「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、子供の成長において非常に重要な時期です。ゴールデンエイジについてはこちらの記事をご覧ください。
> ゴールデンエイジとは?子供の運動神経がググっと伸びる黄金の成長期
参考:ダイエット&フィットネスの基礎知識 杉浦 克己 DVDでよくわかる!増補版!姿勢がよくなる!小学生の体幹トレーニング 澤木 一貴